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媒介契約とは?一般・専任・専属専任の違いと試験の数字

宅建業法

媒介契約とは、家や土地を売りたい人(または買いたい人)が、不動産会社に取引の相手探しを頼む契約です。たとえば実家を売ることになり、不動産会社に「買い手を探してください」と頼むとき、最初に結ぶのがこの契約です。

媒介契約には一般・専任・専属専任の3種類があり、違いはほかの業者にも頼めるかと、自分で見つけた相手と契約できるかの2点です。依頼者をしばる契約ほど、業者の義務は重くなります。

試験でくり返し問われるのは、専任と専属専任で違う数字のすり替えです(報告2週間に1回と1週間に1回、レインズ登録7日と5日。有効期間はどちらも3か月)。34条の2書面の決まりもよく問われます。

媒介契約とは?どんなときに結ぶ契約?

媒介とは、ふだんの言葉でいう「仲介」のことです。宅建業者(不動産会社)が、売りたい人や買いたい人に頼まれて取引の相手を探し、契約がまとまるように間に入ります。業者自身は、売買契約の当事者にはなりません。

この媒介を頼むために、依頼者と宅建業者の間で結ぶのが媒介契約です。たとえば3,000万円の中古マンションを売りたいAさんが、駅前の不動産会社に買い手探しを頼む場面です。売る人だけでなく、買いたい人が「予算4,000万円で3LDKを探してほしい」と頼むときも媒介契約を結びます。

最初に切り分けておきたいのが、この記事の決まりがかかる範囲です。媒介契約の決まりは、宅地・建物の売買・交換の媒介(と代理)にかかります。アパートの大家さんが入居者探しを頼むような、貸借の媒介にはかかりません。

媒介契約の種類は?一般・専任・専属専任の違い

不動産会社に売却を頼むと、担当者から「一般媒介にしますか、専任媒介にしますか」と聞かれます。どれにするかを選ぶのは依頼者です。業者は契約の前に3種類の違いを十分に説明し、依頼者の意思を確かめます。

3種類は、次の2つの問いで見分けられます。1つ目は、ほかの業者にも重ねて頼めるかです。2つ目は、自分で見つけた相手と直接契約できるか(自己発見取引)です。

できるできない
一般媒介専任媒介専属専任
ほかの業者に頼む
自分で見つけた相手と契約

法律では、ほかの業者に重ねて頼むことを禁じる媒介契約を専任媒介契約と呼びます。それに、頼んだ業者が探した相手以外とは契約できない特約を加えたものが、専属専任媒介契約です。

たとえば実家を売りに出したあと、友人から「その家を3,000万円で買いたい」と言われたとします。専任媒介なら、友人と直接契約できます。専属専任媒介では、頼んだ業者を通さなければ契約できません。

一般媒介には、ほかに頼んだ業者を知らせる義務がある明示型と、その義務がない非明示型があります。国の標準媒介契約約款では明示型が基本で、非明示型にするには特約が要ります。

専任媒介・専属専任媒介の決まりは?(有効期間・報告・レインズ)

専任媒介と専属専任媒介には、有効期間・報告・レインズ登録の決まりがあります。一般媒介には、このうち法律の決まりはありません。ただし、買いたい人から申込みがあったときは、3種類とも遅滞なく(すぐに)報告します。

こう考えると覚えやすくなります。1社だけに任せる契約では、その会社が動いてくれなければ、家はいつまでも売れません。何をしているかも依頼者からは見えません。

そこで、依頼者が1社にしばられる専任・専属専任では、しばる期間を3か月までにしています。そのうえで、こまめな報告と、物件の情報網(レインズ)への早い登録を業者に求めます。

一般媒介専任媒介専属専任媒介
有効期間制限なし3か月3か月
業務の報告義務なし2週間1週間
レインズ登録義務なし7日5日
申込みの報告遅滞なく遅滞なく遅滞なく

有効期間は3か月まで(自動更新はできない)

専任媒介と専属専任媒介の有効期間は、3か月を超えられません。契約で「有効期間は6か月」と長く定めても、契約が無効になるのではありません。有効期間が3か月に縮まります。

なお、国の標準媒介契約約款では、一般媒介の有効期間も3か月以内にしています。

更新できるのは、依頼者の申出があるときだけです。更新した後の期間も3か月を超えられません。申出がなくても自動で更新する特約は無効です。最初の契約のときに、更新することを前もって約束しておくこともできません。依頼者が申し出ても、業者が同意しなければ更新されません。

業務処理状況の報告は2週間に1回以上・1週間に1回以上

専任媒介では2週間に1回以上、専属専任媒介では1週間に1回以上、業務の処理状況を依頼者に報告します。中身は、レインズへの登録や広告など相手探しのためにしたことや、問い合わせの状況です。報告の方法(書面か口頭か)は、法律では決まっていません。一般媒介には、この定期の報告の義務はありません。

別に考えるのが、買いたい人から売買・交換の申込みがあったときです。このときは一般媒介を含むすべての媒介契約で、遅滞なく依頼者に報告します。たとえば3,000万円で売り出している家に、2,500万円で買いたいという申込みが来たとします。希望条件に合わない申込みでも、業者は勝手に断らず、そのつど報告します。

レインズ(指定流通機構)への登録は7日以内・5日以内

指定流通機構とは、物件の情報を業者どうしで共有するしくみを運営する、国土交通大臣が指定した団体です。そのシステムの名前がレインズです。ここに載ると、ほかの不動産会社も買い手を探せるようになります。

専任媒介では契約した日から7日以内、専属専任媒介では5日以内に、物件をレインズに登録します。日数には、契約した当日と、その業者の休業日を数えません。契約した日とは契約の意思が合った日で、後で説明する34条の2書面を渡した日ではありません。一般媒介には登録の義務はありませんが、登録してもかまいません。

登録するのは、物件の所在・規模・形質・売買すべき価額と、法令上の制限の主なもの、取引の申込みの受付に関する状況(2025年1月から加わった項目)です。専属専任ならその旨も、交換なら評価額も登録します。ここで狙われるのが、依頼者(売主)の氏名は登録する事項に入っていないという点です。

登録が済んだら、業者は指定流通機構が発行する登録を証する書面を、遅滞なく依頼者に引き渡します。依頼者に言われなくても渡します(依頼者の承諾があれば電子データでもよい)。依頼者は、レインズのステータス管理機能で、自分の物件の申込みの受付状況を確かめられます。

買い手が見つかり、売買・交換の契約が成立したときは、遅滞なく指定流通機構へ通知します。通知するのは登録番号・取引価格・契約が成立した日です。物件の引渡しを待つ必要はありません。

34条の2書面(媒介契約書面)とは?記載事項は?

売買・交換の媒介契約を結んだら、業者は遅滞なく、決まった事項を書いた書面を作ります。そして宅建業者が記名押印(業者が名前を書いて印を押すこと)して、依頼者に交付します。試験では、この書面を34条の2書面(媒介契約書面)と呼びます。

交付するのは、専任・専属専任だけではありません。一般媒介でも交付します。依頼者が宅建業者でも交付します。たとえば実家を一般媒介でA社とB社の2社に頼んだら、2社ともこの書面を渡します。依頼者の承諾があれば、紙の代わりに電子データ(電磁的方法)で渡すこともできます。

試験でくり返し問われるのが、重要事項説明(35条書面)とは?宅建の4つの決まりと記載事項との違いです。35条書面は宅建士が記名し、原則として宅建士が説明します。34条の2書面は、依頼者と業者の間の頼み方の約束を書いた書面です。宅建士の記名も、宅建士による説明も要りません。

34条の2書面に書く主な事項は次のとおりです。

  • 物件を特定する表示と、売買すべき価額(交換なら評価額)
  • 媒介契約の種類(ほかの業者に重ねて頼めるか、頼めるなら明示する義務があるか)
  • 有効期間と解除に関する事項、報酬に関する事項
  • 指定流通機構への登録に関する事項(一般媒介でも書く)
  • 依頼者が約束に反して契約したときの措置(専任でほかの業者を通した、専属専任で自己発見取引をした、明示型の一般媒介で知らせていない業者を通した)
  • 国の標準媒介契約約款に基づく契約かどうか(どちらでも書く)
  • 既存の建物(中古)なら、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項

買う人から物件探しを頼まれ、物件がまだ決まっていないときは、物件の種類・価額・広さ・間取り・所在地などの希望条件を書けば足ります。

建物状況調査とは、いわゆるインスペクションのことです。中古住宅の基礎や柱などの構造の部分と、雨水の浸入を防ぐ部分の状態を調べます。調査できるのは、国土交通大臣が定める講習を修了した建築士です。建築士ならだれでもよいわけではありません。

依頼者があっせん(調査する人の紹介)を希望しないときも、書面から省けません。あっせん無と書きます。また、あっせんは媒介の仕事の一部なので、業者は報酬と別にあっせんの料金を受け取れません。業者が受け取れるお金の決まりは、宅建の報酬計算とは?売買の速算式と賃貸の上限・空家の特例の記事で整理しています。

価格に意見を言うときは根拠を示す

売る人から「いくらで売り出せばいいですか」と相談され、業者が「3,200万円が妥当です」と答える場面です。このように売買すべき価額や評価額に意見を述べるときは、業者はその根拠を明らかにします。一般媒介でも同じです。

根拠は、近くの似た物件の取引事例や価格査定マニュアルなど、合理的に説明できるものであれば足ります。不動産鑑定士の鑑定評価までは求められていません。根拠の示し方は、口頭でも書面でもかまいません。根拠を示すのは業者の義務なので、そのための査定の費用を依頼者に請求することはできません。

貸借の媒介や、依頼者が業者のときはどうなる?

試験では、ここまでの決まりがかかる場面とかからない場面を混ぜて出します。たとえば不動産会社B社が、自社のビルを売るために、別の不動産会社A社に媒介を頼む場面です。迷いやすい3つの場面を、次の図で分けます。

かかる
  • 売買・交換の代理媒介と同じ決まり
  • 依頼者が宅建業者業者どうしでも外れない
かからない
  • 貸借の媒介・代理34条の2書面も要らない

宅建業法には、相手が宅建業者なら外れる決まりもあります(どの決まりが外れるかは宅建業法とは?何問出る?分野の出題数と勉強法の記事で見渡せます)。しかし媒介契約の決まりは、依頼者が宅建業者でもそのままかかります。上の例でA社が専任媒介契約を結べば、B社への報告もレインズ登録も、相手が個人のときと同じように要ります。反対に、アパートや事務所の貸借の媒介には、34条の2書面を含めて、この記事の決まりはかかりません。

媒介契約は宅建試験でどう出る?

2015〜2025年の13回分(2020・2021年は年2回)の宅建業法の問題(260問)を分析すると、媒介契約は13回すべてで出ていました。合計18問で、1回に1〜2問です。受験予備校が公表した正答率で見ると、18問のうち80%以上が9問、60〜80%が6問、60%未満が3問です。

覚える順は次のとおりです。3種類の違いと数字が土台になり、レインズや書面の問題もその上で問われるからです。かっこの中は、論点ごとの出た回数と選択肢の数です。

  1. 3種類の違いと有効期間・報告(12回・19肢):自己発見取引、3か月、自動更新の禁止、2週間と1週間、申込みの報告。
  2. レインズ(指定流通機構)への登録(13回すべて・21肢):7日と5日、休業日を数えない、氏名は登録しない、登録を証する書面、成約の通知。
  3. 34条の2書面(10回・22肢):宅建士は要らない、一般媒介でも交付する、レインズ登録の事項は一般媒介でも書く。
  4. 価額の根拠(5回・6肢)と建物状況調査(3回・9肢):根拠は口頭でもよい、講習を修了した建築士、あっせん料は受け取れない。

正答率が60%未満だった3問は、正しいものの数を答える個数問題が中心でした。依頼者が業者のときや貸借の媒介のときなど、決まりがかかる場面とかからない場面を組み合わせた問題です。最後に、試験の言い方に近いひっかけを図と例題で確かめましょう。

よく出るひっかけ
  1. 有効期間6か月の定めは無効無効にならず3か月に縮まる
  2. 依頼者の希望で登録しない特約は有効依頼者が望んでも特約は無効
  3. 34条の2書面は宅建士が記名宅建業者が記名押印する
  4. 価額の根拠は書面で示す口頭で示してもよい

例題

Q1宅建業者Aが、BからB所有の宅地の売却の媒介を依頼され、有効期間を6か月とする専任媒介契約を結んだ場合、この媒介契約は無効となる。

Q2専属専任媒介契約を結んだ宅建業者は、契約を結んだ日から休業日を含めて5日以内に、物件を指定流通機構に登録しなければならない。

Q3一般媒介契約を結んだ宅建業者は、34条の2書面に、指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。

Q4宅建業者が、売買すべき価額について依頼者に意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないが、根拠は口頭で示してもよい。

Q5宅建業者Aが、宅建業者BからB所有の中古マンションの売却の媒介を依頼され、専任媒介契約を結んだ。依頼者Bが宅建業者であるため、Aは業務の処理状況を2週間に1回以上報告する必要はない。

Q6宅建業者が、アパートの貸主から建物の貸借の媒介の依頼を受けて媒介契約を結んだ場合、34条の2書面を交付する義務はない。

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改正反映日
2026年10月23日
法令の基準日
2026年4月1日
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