宅建業法とは?何問出る?分野の出題数と勉強法

宅建業法(宅地建物取引業法)は、不動産会社が守るルールを決めた法律です。法律では、不動産会社を宅建業者と呼びます。宅建試験の50問のうち、問26〜45の20問が宅建業法から出ます。
宅建業法は、50問中20問を占める、いちばん大きく、いちばん点を取りやすい科目です。覚えた数字と決まりがそのまま問われ、毎年同じ分野がくり返し出るからです。
宅建業法とは?不動産会社が守るルール
部屋を借りるときや家を買うとき、不動産会社はいろいろなことをします。広告を出し、契約の前に説明をし、契約書を渡し、仲介手数料を受け取ります。この流れが、そのまま宅建業法の分野になっています。
業者から
それぞれの数字の例を挙げます。誇大広告は禁止で、工事が終わる前の物件は建築確認などの後でなければ広告できません。専任媒介契約の期間は3か月までです。重要事項説明は契約の前に宅建士がし、37条書面は契約の後に渡して宅建士が記名します。部屋の貸し借りの仲介手数料は、貸主と借主から合わせて家賃1か月分(消費税を含めて1.1か月分)までです。業者が売主のときの手付は代金の2割まで、クーリング・オフは書面で告げられた日から8日間です。
宅建業法は、なぜここまで細かく不動産会社を縛るのでしょうか。理由は、不動産会社は毎日取引をしているプロで、お客さんは一生に何度もない取引をする素人だからです。情報の量にも経験にも大きな差があります。宅建業法の目的は、取引を公正にして、買う人などの利益を守ることです。
そのために、不動産会社には免許の制度があります。事務所には、仕事をする人5人に1人以上の割合で、専任の宅建士を置きます。宅建士は、試験に受かって登録し、宅建士証の交付を受けた人です。お客さんが取引で損をしたときに備えて、業者はお金も預けます。本店で1,000万円、支店1か所ごとに500万円の営業保証金を供託所に預けるか、保証協会に加入します。
反対に、取引の相手もプロ(宅建業者)なら、ゆるくなるルールがあります。重要事項説明は、相手が宅建業者なら35条書面を渡すだけでよく、説明は要りません(書面への宅建士の記名は要ります)。説明の相手やしかたの決まりは、重要事項説明(35条書面)とは?宅建の4つの決まりと記載事項で詳しく解説しています。手付の制限やクーリング・オフなど、業者が売主のときの8つの制限も、宅建業者どうしの取引にはかかりません。8つの中身は8種制限とは?自ら売主制限の8つと数字・他人物売買でまとめています。
迷ったら、この決まりは素人のお客さんを守るためのものか、と考えてみてください。それで答えの見当がつく問題もあります。
宅建業法は何問出る?16分野の出題数は?
宅建試験は50問・2時間の四肢択一です。内訳は、宅建業法が20問(問26〜45)、権利関係が14問、法令上の制限が8問、税・その他が8問です。
問45は、2015〜2025年の13回すべてで住宅瑕疵担保履行法から出ています。新築住宅の欠陥に備える法律です。それ以外の問番号は、年によって分野が入れ替わります。
宅建業法は、この記事の分類では16の分野に分かれます。2015〜2025年の13回分の宅建業法の問題(260問)を分析し、分野ごとの出題数を多い順に並べました。2020年と2021年は試験が2回ずつあったので、11年で13回です。
図のとおり、上位4分野(重要事項説明・37条書面・自ら売主制限・業務上の規制)で103問です。260問の約4割にあたります。
回ごとの目安を見ると、重要事項説明は2〜3問の回が多く、5問の年もあります。37条書面は1〜3問です。37条書面は契約の後に渡す書面で、重要事項説明と比べる問題も出ます。詳しくは37条書面とは?記載事項・交付の相手と35条書面との違いで解説しています。自ら売主制限とクーリング・オフは、合わせて1〜4問です。業務上の規制は0〜3問で、出ない回もあります。業務上の規制は、勧誘のしかたなどの禁止事項で、業務上の規制の記事にまとめています。そのほかは、免許が0〜2問、宅建士が0〜3問、営業保証金と保証協会で1〜2問、媒介契約・広告・報酬が各1〜2問です。住宅瑕疵担保履行法は毎回1問です。
宅建業法はなぜ点を取りやすい?目標点は?
宅建業法は、受験生が正解した割合の高い問題が、4科目でいちばん多い科目です。
2015〜2025年の13回分の宅建業法の問題(260問)を、受験予備校が公表した正答率で分けました。正答率80%以上が146問(56%)、60〜80%が76問(29%)、60%未満が38問(15%)です。4科目で比べると、次の図のようになります。
正答率80%以上の問題の割合は、宅建業法が56%で最も高い科目です。権利関係は15%で、約4割の問題が正答率60%未満でした。宅建業法の正答率60%未満の問題は、2015〜2019年の21%から、2020〜2025年は11%に減っています。
1回(20問)あたりに直すと、正答率80%以上が平均約11問、正答率60%以上が平均約17問です。20問のうち17問ほどは、受験生の多くが正解している問題です。だから宅建業法は、この17問ほどを落とさないことを目指す科目です。合格点は2020〜2025年度で33〜38点でした。宅建業法を得点源にするほど、ほかの科目が楽になります。
点を取りやすい理由の1つは、覚えた数字と決まりがそのまま問われることです。過去問のひっかけは、正しい数字を別の制度の数字に置き換える形が多くあります。たとえば7日と5日、2週間と30日、3か月と6か月、1年と2年です。営業保証金・住宅瑕疵担保履行法・広告は、正答率80%以上の問題が多くを占めました。過去問とほぼ同じ文の記述が、別の年にまた出ることもあります。
ただし、注意することが1つあります。個数問題が増えていることです。個数問題は、4つの記述のうち正しいものがいくつあるかを答える形です。1つでも判断を誤ると、正解の数が合いません。
宅建業法の個数問題は、2018〜2022年は年3〜6問、2023年は7問でした。2024年は3問でしたが、2025年は10問と急に増え、20問の半分になりました。13回の個数問題72問のうち、答えが四つの問題が9問、なしの問題が4問あります。正答率60%未満だった38問のうち、27問は個数問題か組合せ問題でした。うろ覚えのままでは点になりにくい形です。
宅建業法でよく出る論点は?
宅建業法は、自社の分類で95の論点に分かれます。そのうち、2015〜2025年の13回すべてで出た論点が4つあります。毎年同じ分野がくり返し出る、というのはこのことです。次の図は、その4つ(色の付いた札)と、10回以上出た論点のうち主なものです。
例題で確かめる
分野の違う基本の問題を3問、試験の言い方で解いてみましょう。
例題
Q1宅建業者は、重要事項の説明を、事務所に置かれる専任の宅建士にさせなければならない。
Q2建物の売買の媒介で契約を成立させた宅建業者は、売主と買主の双方に37条書面を交付しなければならない。
Q3宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない買主と建物の売買契約を結ぶとき、買主の承諾があれば、代金の3割の手付を受け取ることができる。
宅建業法の勉強法は?どこから覚える?
宅建業法は暗記の量が多く、個数問題では1つ迷うと点になりません。次の順番で進めると、どちらにも備えられます。
- 出題数の多い上位4分野から固めます。重要事項説明・37条書面・自ら売主制限(クーリング・オフも)・業務上の規制です。
- 数字は、ひっかけの相手とセットで覚えます。たとえば仕事の状況の報告は、専任媒介が2週間に1回以上、専属専任媒介が1週間に1回以上です。
- 素人のお客さんを守る、という理由でつなぎます。相手も宅建業者なら、重要事項説明は書面を渡すだけでよく、自ら売主制限はかかりません。
- 過去問を、記述ごとに○×と理由が言えるまで解きます。2025年は20問中10問が個数問題だったので、4つの記述をすべて判断する力が要ります。
- 正答率が低い分野は、やり方を分けます。報酬は14問中6問が正答率60%未満で、計算があるので、過去問で計算の練習をします。監督処分・罰則は8問中6問が正答率60%未満ですが、13回で8問しか出ていないので、基本から押さえます。
4科目をどう進めるかなど、宅建の勉強法の全体は勉強法にまとめています。
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